ある原稿

2010.4.11 14:13

昨年の夏、
当館では、長野県上田市にある「無言館」収蔵作品の
展覧会を開催させていただきました。

展覧会終了後、当館友の会が年4回発行している
「友の会会報」送付リストに無言館が加わりました。

それを機に、
先方からも「信濃デッサン館ニュース」を送ってくださるようになりました。
展覧会を通じて始まる交流もおもしろいものです。

先日届いた「信濃デッサン館ニュース春季号」。
職員による原稿が満載で、読んでいて温かい気持ちになります。
その中にひときわ目をひく原稿が!

それは、昨夏展示作業に来てくださった職員さんによるもの。
当時は、「もうすぐ子どもが生まれる」と
顔一杯にパパになる喜びがあふれていました。

原稿は、その「初めての子」が生まれたという文章から始まり…

夜泣きやゲップなど様々なことで
「赤ちゃんに振りまわされる時間」を
そんな自分の子どものことを
「できる限り知ろうとして努力している時間」を
彼は
「とても充実たものだと感じている」ようなのです。

私が思わず涙してしまったのが、その次の言葉。
「私の両親は、何事にも楽しみを見つけ出すことのできる人に私を育ててくれたらしく、子育てを存分に楽しんでいる」 というところでした。

仕事においても、恋愛においても、夫婦においても、
日々生活を繰り返す中で、最初の新鮮さをいつまでも保つのは難しいことです。
しかし「楽しみ」を見つけることは別。
楽しみはいつも同じものではないからです。

私の心にスッと入ってきたこの言葉は、
当分密かな私の生きる力になりそうです。

次回の「信濃デッサン館ニュース」も楽しみにしています。